愚痴
いつからだろうか。
父の愚痴を母が私に話しだしたのは。
小学校の卒業文集、
尊敬する人の欄に「両親」ではなく「母」しか書かなかったから、
その頃にはもう、
私の中で父は尊敬出来ない人間になっていたんだろう。
色んな事が起こる度、
「離婚したら?」と母に何度も言ったけど、
「私達が可哀想だから…」
母の答えはいつも同じだった。
そんな両親を見てきたからか、
それとも持って生まれたものなのか、
私には結婚願望というものがなかった。
だから元夫からプロポーズされた時も、
「嬉しい」と言う気持ちよりも先に「どうしよう」と思ってしまった。
寝たふりをした少しの時間で、彼と一緒に生きる事を決めた。
結婚し、友達から聞かされる旦那さんの愚痴に、
いつも私は不思議で仕方なかった。
自分で選んで結婚した人の事を、なぜそんなに悪く言うんだろうと。
嫌な事や気になる所があるのなら、
旦那さんに直接言うなり、自分で対策すればいいのにと。
母から父の愚痴を散々聞かされてきたから、
人に愚痴を言うくらいなら、自分で対策しようと思うようになったのかもしれない。
元夫と一緒に過ごす日々の中、
色んな事が起こる度、
少しずつ少しずつ嫌にならないように自分なりに対策してきた。
でもその行動が私に自信を持たせ、
一向に改善しようとしない元夫に対してどんどん失望する事になっていく。
結果、私は離婚。
相変わらず、母は私に父の愚痴を言ってくる。
両親を見る度、
夫婦ってなんなんだろう、
愛ってなんだろう、と思う。
完全に拗らせてる私は、
この先一生1人かもしれない。