耳はまだ治らない。
何度、
時間よ戻れと思った事か。
何度、
自分の選択を後悔した事か。
あの病院を選んでなければ…
あの医師からもっと早く逃げていれば…
「名医」
その言葉を信じ過ぎていた。
誰かにとっては「名医」でも、私にとっては「サイコパス医師」だった。
どれだけ願っても時間は戻らないし、
どれだけあの医師を恨んでも耳はまだ治らない。
だから、
今はただ大きな病院で処方された薬を飲んで、耳が治るのをひたすら祈るしかない。
怖くてつらくて死にたくなる。
それでも、生きなくちゃと思う自分もいる。
寿命が半分になってもいい。
耳が元に戻ってくれるなら。
信じた人に傷つけられるのはもうたくさん。
早くこの地獄を終わらせて。